市川道場 2008 夏合宿
2008/7/25〜27
「和歌山県紀三井寺 ガーデンホテルはやし」

1日目  7/25(金)澄み渡る空の下、市川道場として初の夏季合宿が行なわれました。
   130名程が参加し、場所は和歌山県にある「紀三井寺」。近くに山があり海もありと自然に囲まれて心身を鍛錬するに相応しい場であると感じました。  行きのバスで盛り上がった一行はその疲れを感じさせませんでしたが、はしゃいだ分「お弁当食べていいですかー??」とすでに腹ペコ状態に。  旅館の広間に到着すると待ちに待ったお弁当に笑みがこぼれていました。
 お弁当をお腹いっぱい食べた後は、稽古を行なう体育館へと向かいました。(中は暑いんだろうなぁ…)という予想に反し、暑さはそれ程でもなく気合十分に準備運動が行なわれました。  体をしっかり温めた後、市川雅也師範より「市川道場となって最初の合同稽古です、大きな組織の中で周りに流されるより、この中でリーダーシップを発揮して後輩達を良い方向へ引っ張っていける人間になれるよう、一騎当千の気迫をもって頑張ろう!」と激励のお言葉を頂き稽古が始まりました。
 基本稽古、移動稽古、型と今一度基本に立ち返ってやっていこうという市川師範ご指導の下、皆できるだけ話を聞き逃すまいと真剣な表情で稽古に取り組み、その後の対人練習も含め約二時間の稽古もあっという間に過ぎていきました。
 充実した稽古を終え、汗でびっしょりになった皆の顔にはワクワクともとれる期待の笑顔が…、それもそのはず旅館に帰れば露天風呂付きの温泉が待っていたのです。大きい浴場を見てついついはしゃぎ出し、叱られる子もいましたがその後はゆっくり緑に囲まれた温泉を満喫しました。
 温泉で疲れも吹っ飛び一行はご馳走の待つ大広間へ、この後の花火大会に備えて大いに食べました。「いくぞー」と食後は皆早足で玄関へ集合、点呼をとって広場まで心躍らせ歩いていきました。花火をする上での注意事項を聞いた後、各道場に分かれて手持ち花火でそれぞれ楽しみました。「あ〜、もう花火なくなっちゃった〜」まだ物足りない顔をする子ども達へと既に大量の打ち上げ花火が用意されていました。  「打ち上げ花火始めるぞー!!」の声に皆のテンションも急上昇、夜空に咲き乱れる色とりどりの火の粉に酔いしれ、しばし歓声が上がっていました。充実した1日目の日程が終わり旅館へと到着、寝る準備を終えた後、明日の審査会、海水浴へ向けて一行は深い眠りにつくのでした…。
2日目 前半
 空もまだ起きてない午前5時、起床の合図で皆の愛しい(?)布団と別れを告げました。しっかり寝て気合十分の子もいれば、「ここはどこ?」まだ寝ぼけている子、「靴がありません…」とオロオロする子と様々でありましたが、さすがは経験豊富な先輩達、迅速に対応して予定通りの5時半には布団を畳んで玄関前に集合し、一行は山沿いに聳える長い階段を登り紀三井寺へと向かいました。
 息をきらせて辿り着いた後、市川師範号令のもと基本稽古を行い、各帯ごとに分かれて型、補強などの稽古へと移りました。寝起きで稽古はきついだろうなぁ…と思いつつ辺りを見渡すと眠そうだった面々が気合たっぷりの表情に…、やはり自然の力は偉大であると改めて感じました。
 稽古を終えてから旅館に戻り、朝食をたくさん頂いた後は場所を県立体育館に移しての審査会でした。
 「いつもの稽古の延長線上と思って、あまり気負わず取り組んでください。」との市川師範のお言葉を励みに、皆暑さと緊張感の中で必死に頑張っていました。基本、柔軟、補強、型、組手と進み、いよいよ一級受審者の連続組手が行われました。周りを皆で取り囲み熱い声援を送る中、西田、前田、田尻の三名は次々と向かってくる五名を相手に見事な組手を展開し、勝ち星を重ねていく毎に周りから歓声が上がっていました。全ての力を出し切って連続組手も全員が完遂し、暑い熱い審査会は無事終了しました。審査後、市川師範の呼び掛けでやる気のある者が集まり組手稽古が行われました。楽しい事だけでなく、厳しい事にも全力で取り組む。参加したメンバーはとても充実した合宿になった事と思います。
2日目 後半
 バスにゆらり揺られる事数十分、「イヤッホー!」誰かの歓声に外へ目をやるとそこには延々と続く広大な海が。皆今すぐにでも飛び込みたいといった様子で見入っていました。  砂浜へ到着すれば、ギラギラと照りつける太陽、ワイワイ海で楽む一般のお客さん達、「まだ入っちゃだめですか…?」と待ちきれない子ども達を宥めて入念に準備体操を行い、一般部が監視体制を整えた所で「準備はいいかぁー!」待ちに待った海水浴が行われました。  貝殻集めをする子、先生に放り投げてもらいにいく子、競泳する子と、稽古や審査を頑張った分、皆思い思いに海を楽しんでいました。
 旅館へ帰るバスの中、心地よい疲れとともに、眠りにつく子がいるだろう…と思いきや(!)そこでは昨日の花火の如く、今夜行われる演芸会のネタが飛びかっていました。  「演芸会も頑張るぞー」どこから出てきたのか不思議な程、底なしの元気で入浴&夕食と更に体力を蓄え、完成度を高める為リハーサルが繰り返されました。  その一方で、会場では時間に間に合うよう、一般部の方々による準備が行われていました。お菓子・ジュースの分配、絵心たっぷり(?)のポスター作り、子ども達は期待と緊張を交えた表情で次々に集まってきました。
 準備がようやく完了し、市川師範も入場され「強くなるには、単に力や技を身に付ければいいという訳ではありません。全力で人を笑わせて是非とも1位を勝ち取って下さい。」とご挨拶を頂き、演芸会が始まりました。香芝・広陵・大宮・桜井・生駒と順に出し物が発表され、会場は度々笑いの渦に包まれました。  短い練習時間でしたがどこもしっかり考えられた構成内容で、皆の演芸会にかける意気込みが感じられました。全ての劇が終了しいよいよ緊張の結果発表へ、全員の拍手の多さで決められる最優秀賞に見事輝いたのは<伝説の肉を求め、死にもの狂いで見つけた物は鳥ガラだった…>というオチを演じた桜井道場となりました。  飢えた野獣に扮した白石君の迫真の演技が決め手になったようです。賞状が各入賞チームにそれぞれ授与されました。演芸会終了後、各班ごと部屋へ戻り就寝準備へ。  …数十分後、皆の満足気な寝顔からは(よーし、明日も頑張るぞ。)そんな声が聞こえてくるようでした。

「演芸会・結果」
・最優秀賞―桜井道場「けいすけの大冒険」
・ユーモア賞―香芝道場「ダークアンパンマンと地蔵さん」
・チームワーク賞―大宮道場1部「おタクヒーロー二〇〇八…アハ
3日目
 ついに合宿最終日、道着に身を包み引き締まった表情で集合して朝食を頂きました。帰り支度を整え玄関前へ集合、初日、二日目と時間が経つにつれ、各班がしっかりまとまって迅速に行動できているようでした。
 海岸へ到着後、一行はそのまま道着で海へ入り基本稽古の後、ゴミ拾いを行いました。すっきり海辺がキレイになった所で二日目に引き続き海水浴へと突入、合宿疲れか「先生おなか痛いです…」と稽古を見学していた子も気がつけば海へ入ろうと…
「おいっ!お腹大丈夫か?」
「え〜っと、海を見たら治りました!」
「………。」
 改めて自然の偉大さを実感しました。そしてこんな調子で子どもたち中心に海で大はしゃぎ。鬼ごっこやら、温泉求めて土を掘ったりと…。皆の喉が渇くタイミングに合わせ、着々とスイカ割りの準備が進められているとは誰も知らずに…。
  「皆あがれー!」 砂浜にて皆の目に飛び込んできたのはどっしりと待ち構える巨大スイカでした。やがて各道場からスイカと対戦する勇気ある挑戦者が選ばれ、皆のかけ声に包まれ持ち前の腕っぷしで次々とスイカを撃破していきました。タイムリミットが迫るも残るスイカは後一個、しかしこれが強敵でなかなか割る人が出てきません。昨日活躍した桜井道場生も破れ、市川師範ご指名の下登場したのは大宮の吉村君でした。不適な笑みを浮かべ中央へ、そして開始10秒程のことでした。
  「うりゃー!!」→「ドカッッ!!」
 見事にスイカは真っ二つに割れ、周りから歓声と拍手が、そのあと割れたスイカをたらふく皆で頂きました。スイカとの勝負も見事勝利を収め、一行は旅館へ戻り荷物を持って広間へ集合しました。市川師範より 「三日間お疲れ様でした。今回を通して皆の団結力が高まった事と思います。これを活かして今後様々な事に挑戦していって下さい。又、家に着くまでが合宿ですのでこれで気を抜かないように。」  と締め括って頂きました。旅館の方々にお礼を述べ、たくさんの汗と涙が染み込んだこの紀三井寺の地に、どこか懐かしさを抱きつつバスはゆっくりと大和の地へと進み出しました」


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