第7回作文コンクール入賞作品

保護者 


最優秀賞 武田 健造
優秀賞  成岡 徹
佳作    西村 謙悟
       後藤 泰浩


『リーダーシップ』 保護者の部 最優秀賞 武田 健造
年齢を重ねると共に、色んな場面において、意思決定を迫られる機会が自然と増えてきます。また、最善を選択する難しさ、全身で感じる責任の重量感は、より鮮明となり正直足がすくんでしまうこともあります。
そんな生活の中で、最近一つの結論を導き出すことができました。
自分はいつの頃からか、人の輪の中心であったり、人の前に立ち多くの人を指揮するいわゆるリーダーシップに非常に強い魅力を感じていました。
そして、人の思考や行動を束ねるには、才能が絶対に必要で誰もが望んだとしても、その力を手にできるものではないと思っていました。そういう意味で残念ながら、自分自身にはその才能が、その力がないと判断しておりました。
しかし、30代になり、ひょんなきっかけから、現在の仕事において仲間を束ねる立場に就くことになり、気づきの日々をおくる中で、リーダーシップには、資質や才能がなくても、信頼を得て協力を得る、従来のイメージと少し違う形が存在する。そして誰もが、自分にしか出来ないリーダーシップの形があるとの結論に達しました。
今我が国では、少子化の波がはっきりと輪郭をあらわにし始めました。そんな日本において、一人一人に求められる力の一つに、リーダーシッップも含まれていると思います。何も多くの人を束ねるのではなく、それぞれの立ち位置から、周りに耳を傾け、しっかりと意思を持ち協力を得ながら前進する。個々がそんな力を持つ少数精鋭の日本というのも、選択肢の一つにある様な気がします。

『リーダーシップ』 保護者の部 優秀賞 成岡 徹
生きていくために必要とされる力と思います。命ある物すべてに通じる事と思います。人間又は、動物にも自然と成り立っている。色々な状況で、大切な目標に向かう一つの集団が助け合い、協力し、信頼して、それを強く思うリーダーがいます。
今から17年前、当時私は23歳、朝早くのニュースを見て唖然としました。これは日本なのか!どこ、何県!信じられない映像に、絶句。私は大阪で仕事をしていました。出勤するために駅へ、電車は動かず長距離を歩いて仕事場に!店の中は無茶苦茶です。でも私が見た朝の映像はもっとすごく壊滅状態でした。火災、地割れ、高速道路は倒れて、それが隣の県、そうです、阪神大震災です。
この大きな災害から17年が経ち、今思えば信じられない程の復興した町や市。私がこの作文を書くきっかけとなったのは、今の仕事場に、その当事者がいているからです。私が今まで思っていた、リーダーやリーダーシップの意味を変えるきっかけになりました。絶望の中、大きな悲しみと悔やみきれない思い、でも「このままでは終われない」と強く思い行動するリーダーが沢山いたという。命の大切さや、明日への希望を胸に思い、町や県、日本中の心を動かす力、人間力です。この力をどこへ導くか、光の方へどう導くか、これは一人では絶対に出来ません。人の思いや意思、考えを聞き、人の気持ちを考えて人々の明日へ未来へ導く事が出来る人がリーダーシップと思います。
自分の事より人の事、過去より未来。
昨年も東日本大震災が起きました。仕事場を通して、人のために協力しています。少しでも未来にプラスになる様にと思っています。


『「利他主義」とリーダーシップ』 保護者の部 佳作 西村 謙悟
自身の私利私欲に準ずる「利己主義」な行動ではなく、他人を思いやり人のためになる行動をとれる「利他主義」の心を持つ人間が真のリーダーであると考える。また、あらゆる局面に対応できる柔軟性と、どんな困難にも臆することのない屈強な精神と肉体を持ち合わせている事もリーダーにとってふかけつなようそである。
これらを持ち合わせた人間は、自らが強調せずともリーダーとしてその行動が周囲の規範となり、自然とリーダーシップを発揮していることになるであろう。
つまり、リーダーとは「利他主義」に基づいた行動がとれる「心技体」に優れた人物であると言えよう。そのような「心技体」をバランスよく養う為には、先天的な要素よりも後天的な自己鍛錬と教育、生活環境下での集積に寄与するものが大きいと思われる。その中でも特に幼少期の教育。生活環境が、後の人間形成においても最も重要となるであろう。
その様な観点から見ても、多くの幅広い年齢の人と共に鍛錬を積み重ねる「道場」というコミュニティは、子供達にとって最適な教育環境と思われる。
道場生活において礼節・上下関係を学ぶ事で「心」が育まれ、より上位の段を目指そうという向上心で「技」が磨かれ、日々の稽古で「体」が鍛えられる。幼少期、少年期、青年期の各期によって鍛錬方法や動機は変化していくであろうが、日々の鍛練を通して得られる物が自身にとって大きな財産となる事は各時期で変わらないであろう。
「人から優しくされる事で人に優しくでき、人に優しくする事で人から優しくされる」そのような好循環が市川道場には溢れているように思う。「利他主義」とはそんな人に対する思いやりの気持ちによって育まれていくものであろう。
市川道場での空手の稽古を通して、今後の人生において大切な「利他」を育み、生涯「心技体」を自己鍛錬し続ける人間になって欲しいと思う。

『理想のリーダー』 保護者の部 佳作 後藤 泰浩
私なりに考えた理想のリーダーとしての、大切な考え方について書こうと思います。
私は、誰でもが、リーダーになれるとは思えないのです。リーダーになる為には、資質があるかどうかと、考え方が備わっているかが大事だと思います。一言で言えば、リーダーシップが有るかが大事だと思っています。なぜなら、リーダーの器や考え方で、その組織やチームの発展や将来が左右されると考えているからです。最悪のリーダーであれば、その組織やチームを崩壊しかねないからです。リーダーといっても一つの組織で一人とは限りません。会社で言えば、社長を始めとして各部門にリーダーがいます。道場で言えば、師範を中心に各先生方がおり、黒帯の人や各リーダーがおります。この様に、トップリーダーの考え方を理解して、ベクトルを共有できる各リーダーによって組織やチームが成長するのだと思うのです。だから私は、リーダーとしての大切な考え方が必要だと思うのです。それでは私の思う資質と考え方を書きたいと思います。
資質で大事なのは、リーダーは明確な目標を持って必ずその目標が達成できると信じて行動し、目標の大事さや達成するための方法や手段をメンバーや部下に情熱を持って伝えられる人間だと私は思います。
考え方や人間性で大事なのは、リーダーは組織やチームの幸福が真の目的であり、自己の欲望を抑えられる事、人間として正しい判断が出来る事、謙虚にて驕らない事、嘘をつかず策略を用いない事だと私は思います。
要するに自らを厳しく管理出来て、組織やチームの模範となり、仲間を安心な場所へ導いてやれる人間がリーダーのあるべき姿だと思います。私はこの様な資質や考え方や人間性を持ったリーダーでなければ、その組織やチームの発展や成長は困難だと思います。だから、リーダーの器はとても重要なのです。リーダーの器以上には、組織やチームは、大きくも強くもならないと思うからです。
冒頭では、誰でもがリーダーになれないと書きましたが、将来のリーダーになる為に育成することは可能だと思います。それは、良いリーダーに出逢い、満足感や達成感を味わう経験をして、仲間と一つの目標をやり遂げる感動をすることだと思います。特に、若いうちに経験することが非常に大事だと思います。リーダーシップは、考えて貰うのではなく、自分の経験によって磨かれていくと思います。だから息子にも、ゲームなど一人で遊ぶのではなく、たくさんの友達と遊ぶように話しています。その第一歩が学校ではないでしょうか。学校では、学級委員や日直など色々と学びの場があるからです。そして武道では、精神を鍛えて人間的に成長し、目標を持ってくれれば嬉しく思います。