第7回作文コンクール入賞作品

中学生・高校生 


最優秀賞 植村 鈴子
優秀賞  米山 元章
佳作    西田 凱也
       青木 寿太
       吉村 祐紀


『リーダーシップ』 大宮道場 中学・高校生 最優秀賞 植村 鈴子
私は、なぜ市川道場に入ったかというと、気が弱く、友達から少し言われただけでも、口で言い返せなかったし、家でもよく泣いていました。こんな弱気な性格が大嫌いで、もっと強くなろう、自分を変えようと思い入門しました。初日、道場の前に少年部の人達がいて、私より年下なのにとても大きくみえて、そして気合の入った声で「押忍」と声をかけられました。道場の中に入るとすごくパワーがありました。今日から私も空手の一員で、みんなに追いつくように稽古にはげみたいと思いました。
私は、「押忍」の言葉で気合も入り、身がひきしまります。これが空手なんだなあと思いました。
空手入門から3ヶ月ぐらいで、ある事件が学校で起きました。ある事件とは、ケンカです。初めて人をたたいてしまいました。たたいた理由は、前々から、私のことをバカにして、命令されたり、カバンを持たされ、いろいろな事をされて、一時は学校も行くのがいやで休む事もありました。
でも親に
「あんた、学校休んだら負けやで!」
と言われがんばって行ってました。
そのケンカする日、いつものように悪口などをいわれ、そこでカチンときてたまったものがいっきに出てしまいました。相手は意外と弱く泣きながら逃げていきました。その後とてもスッキリしました。前の私なら悪口を言われてもだまっていましたが、空手を習いだして自信が持てて強くなれたような気がしました。
私はまだ白帯だし、リーダーシップには立てませんが、もっともっと強くなっていつか立ちたいです。そして、少し何か言われても、言い返す勇気と、友達を増やして、人にも好かれる強い人間になりたいです。いいかえせるようになったのも空手を習いはじめたからだと思います。空手を習えたのも、親、師範、空手の人達のおかげだと思います。
これからも、嫌な事からも逃げずに、立ち向かっていきます。「押忍」

『無題』 大宮道場 中学・高校生の部 優秀賞 米山 元章
自分は小学校の時、班長や委員長、代表によく選ばれました。決して頭がかしこいというわけではありません。先生にはみんなをまとめて引っ張っていく能力があるとよく言われました。自分もけっして嫌ではありませんでした。なぜなら、自分がやるしかないと、やってやろうといつも思うからです。
修学旅行では、前にでて発表したり、お礼の手紙を読んだり、オリエンテーリングでは先頭にたってみんなをゆうどうしたり。自分はみんなに頼りにされたり、喜んでもらえることがとても嬉しいんです。
自分は中学では野球部に入りました。今は1年で先輩にいろいろな事を教えてもらっていますが、3年になったらこのリーダーシップの能力を使って、チーム内の意見をまとめ、的確な判断、指示を出せる能力を身につけキャプテンとしてがんばりたいと思っています。でも何よりも大事なのはメンバーからまず信頼されるということだと自分は思いました。これからもリーダーシップを大事にがんばりたいと思います。

『リーダーとは』 大宮道場 中学・高校生の部 佳作 西田 凱也
自分は小学校のときから、空手をふくめ、いろいろな場所で皆をひっぱっていく役割を持つことが多い人でした。そして今の役割は野球の副キャプテン。今までと違い多人数だし、空手の後輩ほど言ったことを分かってくれない。広いグランドで全員に目がいきとどかない。
監督のいる所でしか、しっかりやれないぼろぼろのチームが勝てる訳がありません。あげくのはてにキャプテンもやる気をなくし、チームをまとめようとする人間が自分一人になった時もありました。でも残る自分があきらめたらおわり。2年生を一人ずつ呼んで話をしたりもしました。そうした自分のすがたを見た3年生が変わり始めると、チームも少しずつ変わり、春の大会では市を勝ちぬき、県で上位に入って「奈良県選抜野球大会」という大きな大会への出場を決めました。
「リーダー」それはとても大変だと思います。うまくいかない時が続いても、あきらめて良い役割ではありません。でもその役割の人がどういう行動をするか、それでチームは変わっていきます。あきらめずにチームのことを思い続けること、それが「リーダーシップ」だと思うし、それができる人が自分にとっての「リーダー」です。

『リーダーシップとは』 広陵道場 中学・高校生の部 佳作 青木 寿太
私の通っている中学校では、講師の方を呼び、人権についての話を聞く「人権講会ホームルーム」という授業が年に一度ある。去年いらっしゃった講師の方は、ある中学校の、阪神・淡路大震災が起きた年の校長先生だった。講師の方は少年Bくんの話をされた。
Bくんはどうしようもない生徒でした。授業はサボり、学校に来てもいつも抜け出していました。しかし、根はとても優しいので、友達はたくさんいます。そんなBくんが中学3年生のとき、阪神・淡路大震災は起こりました。
Bくんたち家族は全員無事で、避難場所の中学校に避難してきました。中学校には町中の人達が避難に来、中には暴力団の人たちもいました。震災から二日後、お弁当が届きました。Bくんは「皆困っている。全員にお弁当がまわるように配ろう。」という思いから友達を集め、1つのチームを作りました。また、何人かで分けてお弁当を食べるように、とお弁当を配ったすべての人に言いました。まさかいつも不真面目なBくんが、こんなことをするなんて。校長先生は驚きました。
Bくんたちがこんなにもがんばっているのに、数人の人達は反抗しました。暴力団の人たちです。暴力団の人たちは、Bくんの胸ぐらをつかみ、自分たちには弁当を多く渡すように脅しました。Bくんは対抗しました。「絶対に渡すものか!」という強い思いから、殴られて蹴られてもお弁当を守りました。
その結果、暴力団の人たちにも、皆と同じ分量のお弁当だけ配ることができました。
このことから、先頭に立つ者には必ず、強い思いがあると思った。リーダーシップとはまさにこのことだと思う。何があっても変わらない強い思い。まわりの人を巻き込むほどのだ。これを持っている人が、「リーダーシップがある」という人だと思う。
私にはそれがあるだろうか。そこまでの意思はないだろう。しかし、何か一つは持っておきたい。それを見つけるのは近ければ近いほどいいが、いつか見つけ、そのことで皆を率いることのできる人間になりたい。いや、ならなければいけない。

『リーダーシップ』 広陵道場 中学・高校生の部 佳作 吉村 祐紀
私は中学2年生だ。道場の中では年上な方だし、空手をやっている年月も、それなりに長い。そうなると当然、下の学年の子たちや、小さい子を指導する機会も多くなる。その時、必要なのがリーダーシップだ。私は、リーダーシップとは、上の人が下の人をまとめる時に必要で、下の人をちゃんとした方向に引っ張っていくことに必要だと考えている。そして、そのリーダーシップとは自分の自信から生まれるものではないか、と考えている。
そもそも、自分に自信がないまま、下の人を導いていくなんて、とてもできないと思う。まず、下の人を導いていくには、知識がいる。知識がないまま、みんなを引っ張るのはできないと思う。上の人が何もわかっていないまま、何かを下の人の教えるなんて、下の者を不安にさせるだけだからだ。次に、応用力や上手な機転をきかすことができないといけない。それが無ければ、なにか問題が起きた時に対処できないし、周りもオロオロしてしまう。そして、知識を持ち、応用力もある、と自分で分かったら、自分にも自信がついてくるのではないだろうか。そしてその自信がリーダーシップをとるための大切な元になるのではないだろうか。
しかし、今の私には、その自信というものがない。中学2年生にもなって情けないとは思うのだが、下の子に何かを教える時に、いつも「これであっているのだろうか」などと思い、不安になってしまうのだ。私は、この気持ちは自分がどこかで練習を怠っていたから生まれたんだと思う。これから私は、もっと自信をつけていきたいと思う。そして、中学生らしいリーダーシップをとれるようにがんばりたい。