昇段レポート≪前田 凌≫


まだまだ満足できない

 今回の昇段審査において自分は、習ったことすべて出して挑戦し、そして「黒帯が取れるのなら、どんなに体が傷ついてもいい。」と思えるほどの、意気込みがありました。その結果、なんとか合格でき、ずっと追いかけて来た「初段」になることができました。
 しかし、黒帯をしめているだけでは、まだ初段ではないと自分は思います。黒帯を持っていても、していることがとる前と同じではその黒帯に意味はないと思います。体がしんどくても、稽古の時には一定以上の力を出すことができ、普段はやさしく、いつでも色んな所をよく見、みんなの先頭に立って、まとめる力を持っている。自分はそんな初段になりたいです。そして、みんなから信頼され、尊敬されるような存在になれればいいと思います。
 この前、お父さんに、「黒帯を取ったんだから、帯に負けないように努力しなあかんな。」といつも師範がよく言ってくださることと似たようなことを言ったのでビックリしました。でも、ビックリした反面、少しうれしかったです。空手のことについてはあまり話すことが少なかったお父さんが、たまにそういうことを言うと、自分は「お父さんも、自分と空手のことを気にかけてくれているんだ。」それは多分当たり前のことだと思います。でも自分は、当たり前のことがうえしく思えました。だから、お父さんに答えるためにも、立派な初段になりたいと思っています。
 でも、道場の中だけ立派でもいけません。道場の外でも道場の中にいる時のようにしないといけないと思います。知っている人にはちゃんとあいさつをし、目上の人や部活の先輩などには敬語を使う。このようなことができなければ、何より空手を習っている意味がないと思います。あと、ケンカなどをしても、絶対に自分からは手を出しません。そんなことで、自分の拳を汚したくないし、人を傷つけたくないからです。これは約束したいと思います。
 試合でも一度は優勝でき、初段にもなることができ、自分は少しは満足です。でも、本当に満足することができる時は、多分この先にもないと思います。だから、その本当の満足に少しでも近づけるようにがんばりたいです。そして、自分のがんばりを支えてくれているお父さん、お母さんも大事にしたいです。 押忍。